メキシコの風が吹くロサンゼルス

みなさん、こんにちは。助教の酒谷です。

昨年7月までロサンゼルスに留学しておりました。現地に住んで、まず初めに感じたのは、人種が本当に多様であったことです。

もとより私は、ロサンゼルスと言えば “ハリウッド“ の名が一番に浮かんでくる映画好きの人間でしたから、当然トムクルーズだのブラッドピットだのキアヌリーブスなどの見た目の人種の方がたくさん住んでいる、と頭から思い込んでいたわけです。

ところがロサンゼルス空港を降りて、タクシーに乗って職場へ向かったところ。ん?ここ、ほんとにアメリカ?むしろ南米じゃない?みたいな不安と混乱に陥ったのを、昨日のことのように覚えています。

「なんせメキシカンの方が多い。」

一緒に仕事して苦楽を共にした、同僚フランシスコ君 (31歳)もメキシコをルーツに持つアメリカ人(メキシカン・アメリカン)でした。

メキシカン・アメリカンの方は、スペイン語を上手に話されます。私は病院に勤務していましたので、英語を話さずスペイン語のみを母国語として話す患者さんとお会いすることも少なくありませんでした。

カリフォルニアは、1848年までメキシコ領であったこと、メキシコ国境から約200kmと近いこと、20世紀前半から大量の労働力需要があり、メキシコからの移民労働者が多く流入したことなどの歴史的・地理的・経済的背景から、メキシコをルーツとする方がたくさん生活されています。かの大谷選手が在籍するドジャースも、中南米の文化を積極的に取り込み、メキシカン・アメリカンのファンの方が最も多いチームです。

ロサンゼルスで感じ取れるメキシコ文化に、私はすっかり魅了されました。

まず食べ物。メキシコ料理の代表格であるタコス、ブリトーに始まり、私のお気に入りはTajin (タヒン)というペッパーとライム塩をミックスしたメキシカン“ふりかけ“です。スイカやセロリなどの果物・野菜にふりかけたり、ビールにだって、何にでもふりかけます。

(飲み口に大量のタヒンが散りばめられたビール用の特製コップ)

また、思い出の場所、ロサンゼルスダウンタウンの東に位置するボイルハイツは、カリフォルニア最大級のメキシカン・コミュニティのある街です。同僚フランシスコ君に、その中にある巨大メキシカン市場 ”SANTEE ALLEY” に案内していただきました。子供用のおもちゃが大量に並ぶ市場、大人向けの洋服・化粧品が並ぶ市場、家具が並ぶ市場など、テーマが細分化された小さな市場の集合体といった感じです。150店舗もの出店が並び、エキゾチックな音楽が大音量で鳴り響き、年中お祭り騒ぎといった圧巻の雰囲気でした。コーラとタコスを食べて、子供のおもちゃ(激安)を買って、家族で市場を堪能しました。

(ボイルハイツの巨大市場:SANTEE ALLEY. スキッドローの近くなので治安は不安定.)

百聞は一見にしかず。行ってみないと、わかりませんでした。魅惑の都市 ロサンゼルス。いつかまた、きっと訪れたいです。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。