2020年東京オリンピック開催決定に思う

東京での2020年オリンピック・パラリンピック開催が決まった.

4年前の招致合戦の時には,リーマンショックなどの経済的不透明性や日本の抱える大きな借金が心配で日本への招致に否定的だった.しかし,東日本大震災を経験し,今は日本をなんとか元気にしたいという気持ちが強くなった.その意味で東京での開催決定を心から喜んでいる.招致には投票権を持つIOC 委員へのロビー活動が重要だという.この決定法には若干違和感もあるが,日本の招致委員の皆さんは良く頑張った.経済効果がどうのこうのという品の無い話はしたくない.これを契機にして日本人が元気を取り戻し,日本社会の進むべき方向性が定まることを期待している.

これに合わせリニア新幹線の建設が進むという.東京―大阪間を約1 時間で結ぶというリニア新幹線であるが,本当に今の新幹線以上の速さが必要なのだろうか.また,その経路の8割以上がトンネルだとも報道されている.安全面は大丈夫なのだろうか.それに莫大な建設費も必要である.10兆円もかかると予想される建設費はJR 東海が全額負担するという.おそらく運賃収入だけでは収支が合わないので,日本国内での稼働実績をもとに海外への技術輸出を計画しているのだと思う.しかし,もし負債を抱えた場合には税金からの補填となる可能性が高い.リニア新幹線には未だに否定的なのである.

(先月号の編集後記にスペルミスがありました,セミの英名を“ciada”と記載していますが,“cicada”が正解です.訂正してお詫び申し上げます.)