宮崎から元気!

年末の3連休,宮崎で行われたカンファレンスに参加した.
口蹄疫やトリインフルエンザ,さらには新燃岳の噴火と,あまり良いことのなかった宮崎を元気にしようとのコンセプトの会だった.

私自身は「20年後(近未来)の前立腺がんを展望する」という企画のオーガナイザーとして司会をさせていただいた.
たいへんおもしろいセッションで,「前立腺がんの正確な局在が3次元画像ではっきり診断できる.」「前立腺がんの手術はロボット支援下の単孔式手術になっている.」「初期ホルモン治療は従来のLH-RH関連製剤に加えて新しいアンドロゲン経路阻害剤の併用となる.」などの展望が述べられた.

私は「新しいマーカーの出現でPSAは前立腺がん診断に使われていない.」「高齢男性は前立腺がんの予防薬を服用している.」と大胆に予想したが,これに関しては残念ながら賛同してくれた参加者は少なかったようだ.

20年後,私はすでに現役をリタイヤしている年齢であるが,現在の急速な医療の発展を考えると20年後の泌尿器科診療がどのようになっているか非常に興味深い.泌尿器科や手術自体がなくなることは無いが,その診療内容は大きく様変わりしているに違いない.この編集後記を20年後に読んで,このセッションでの予想が当たっているかどうか確かめたい.

会期中,宮崎産地鶏などおいしい名産をご馳走になり,また温かい気候のもとでの運動も満喫した.宮崎を元気にするというより,宮崎に元気をもらった3日間だった.