原発とレバ刺し

厚生労働省は牛の生レバーを「レバ刺し」として飲食店が提供するのを禁止するという.
違反すれば,懲役2年以下または罰金200万円以下が課せられると新聞報道されていた.

昨年発生した焼き肉店の集団食中毒事件がきっかけとなっているが,その後の調査で,毒性が強い腸管出血性大腸菌O157がレバーから見つかり,これを排除する有効な安全策がないということで禁止に踏み切ったという.

今後,被害が出れば,飲食店に責任を問うことが出来ず,これを放置した厚生労働省が責められるという図式が容認出来ないのだろう.
しかし,これまで日本で培われた食文化をこのような形で規制していいのだろうか.

いっぽうで,安全性が疑問視されている原子力発電は容認し再稼働させるという.

これまでの経緯をみると「レバ刺し」での中毒被害はそれほど多くない.
そしてO157が心配で「レバ刺し」を食べたくない人は食べなければ良いだけの話である(ちなみに私は大好きなので食べると思います).
しかし,原発事故では,原発賛成,反対を問わず,多くの人々が甚大な被害を被ることになる.

「レバ刺し」と原発を同じように扱うわけにはいかず,それぞれに理屈はあるのだろうが,その対応の違いに何か違和感を感じてしまうのである.