一流への道

お正月には趣向を凝らしたたくさんのテレビ番組が放送されるが,その中でも「芸能人格付けチェック」という番組を毎年楽しみにしている.一流と評される芸能人とは,歌がうまいだけの人でもなければ,お芝居が上手なだけの人でもない.お酒,食事,音楽など,様々な異分野にも造詣が深い人こそ,芸の道では一流だという趣 旨だと思う.逆に解釈すると,色々な分野に造詣が深く無ければ,一流の芸事は出来ないということだろう.

一流の医師とは何だろう.手術がうまいだけの医師でもなければ,患者相手の話が上手なだけの医師でも無い.医学の歴史,医学研究などにも知識と理解があり,幅広い見識を持っている医師こそ一流と呼ばれるに足る医師だと思う.その意味でも,若い先生方には,臨床研究であろうと基礎研究であろうとかまわないので,一度は医学研究を体験してほしい.一流になる努力をしないと,そのうち姿が消えてしまうかもしれませんよ.

( 小川 修 )