iPS細胞研究の新たな成果

iPS 細胞を利用した病態研究が,また 1 つ新しい治療開発につながりそうだ.2013年,iPS 細胞研究所から,各FOP(進行性骨化性線維異形成症)の患者さんから作成した iPS 細胞をシャーレ内で骨や軟骨に分化誘導することで FOP の病態を再現出来たとする報告があった.この実験系は FOP 患者の骨化を防ぐ治療薬の発見に貢献出来る新しいアプローチである.iPS 細胞自体を治療に用いる再生型の医療とは異なった応用法であり,すでに開始されている黄斑変性症に対する iPS 細胞治療に次ぐ臨床応用となる.

4 年を経て,いよいよ臨床治験がスタートするというが,その治療薬候補が「ラパマイシン」という,すでに臨床で使用されている薬である(いわゆるドラッグリポジション)ことも興味深い.