大学と研究費

臨床研究におけるデータ改ざん,研究費の私的な不正使用など,医科系大学における不祥事が次々と報道されている.厚生労働省や文部科学省は,これらの不正を取り締まる仕組みが弱いとして,さらに規制を強化する方向を打ち出すという.

大学教官は発表した論文の数とその質,獲得した研究費の額で評価されることが多い.評価の高い論文を発表すると研究費の獲得が容易となり,それほどお金のかからない研究でさえも多額の研究費を受けることができる.

しかし,国の研究費は単年度会計であるので,基本的には次年度への繰り越しはできない.研究の進捗状況によっては,時には金あまりの状況になることは容易に想像できる.しっかりとした規制は必要だが,研究課題の評価も含めて,もっと合理的な研究費システムを作ってほしい.

大学教官にとって研究費を獲得するということは一人前の研究者として認められたことを証明するもので本当に嬉しい.嬉しそうに話をすると「それ,うちの家計にプラスになるの?」と,素直に聞いてくる家内を責めるわけにもいかない.