Withコロナ時代の留学記

8月より大学に戻りました北です。いろいろなご縁がありまして米国ノースカロライナ大学へ2年半留学して来ました。ノースカロライナ州と言われてアメリカのどこかピンとくる人は少数かもしれません。かくいう私も留学前は北の方の寒そうなところだと思っていたわけですが、実際にはニューヨークやワシントンよりはるか南の東海岸、京都と同じくらいの緯度で四季があり、広大な大地と豊かすぎる緑に囲まれた田舎町でした。縁といえば、選んだアパートに先住していたもう一家族の日本人が、高校時代の同級生のげんちゃんだったと気づいた時は心底驚きました。20年の間にお互い同じようにおっさんになり父になり、再会して最初の2時間はお互い気づきませんでした。世間は狭いものですね。

渡米して1年は、アメリカ的生活を謳歌できたのですが、ご存じのCOVID19はアメリカでも猛威を振るい、生活は激変してしまいました。都市部ほどの緊張感はなかったですが、ノースカロライナ州にも緊急事態宣言が発動されました。大学は1か月ほど閉鎖され、子供たちの小学校は1年間オンライン授業になりました。ピリピリムードの中、呑気に発動前と同じノリで仲間とゴルフに行ったところ家庭内にも緊急事態宣言が発動し、その後1年間ゴルフにも行けなくなりました(法律上ゴルフは禁止されていたわけではないのであしからず)。再開された大学も研究室の各部屋定員一人までという制約がかかり、孤独に試験管振って、yahooニュース見て、マウスの世話しに行ってという、およそアメリカらしさの欠片もない生活となりました。ラボメイトとランチに行っていろいろ議論するというような日常が失われてしまい、私のpoorな英語はpoorなまま終わりました。と書くとなんだかつらい留学生活だったように思われますが、何にも邪魔されずに研究に没頭できる時間だったり、家族との濃密な時間だったり、制約下なりのアメリカ的生活だったり、すべてが有意義で楽しいものだったと感じています。ワクチンが早急に普及したのもあり、今年の春からはCOVID19前の生活に戻り、送別飲み会や送別ゴルフコンペなんかもできまして、後ろ髪をひかれつつ7月10日に出国しました。

ということで2年半ぶりに日本に戻り、2週間の隔離を経て、8月1日より大学での仕事を再開させております。今までずっと何かに追われて仕事していたもので、2週間も隔離だなんて、なんて非生産的な時間を過ごさせるのだと最初は不満タラタラでしたが、胸を張って家にずっといれる2週間というのはただただ最高でした。ちょうど東京オリンピックでしたし、、、

十分充電できましたので、しばらくフルパワーで出力していきたいと思います。

北悠希

ライト兄弟記念碑とまだ何者でもない北兄弟
ライト兄弟記念碑とまだ何者でもない北兄弟