海外留学のススメとサバイバル術 (1)

気がつけば年の瀬が押し迫っていますが、2016年は我が家にとって激動の1年でした。8月末に3年の留学を終え、日本に帰ってきました。渡米前に多くの先輩方から頂いたお言葉の通り、苦労も含め何から何まで楽しい3年間でした。最近は海外留学を志す若者が減っているそうですが、折角の機会ですので海外留学生活の魅力+面白苦労話を書かせて頂きます。

2013年6月25日、私は家族に先んじること2か月、アメリカ合衆国はノースカロライナの大地に降り立ちました。田舎ですが東海岸では屈指の研究環境を誇り、リサーチトライアングルと呼ばれる地域です。現地の日本人研究者の方々に本当にお世話になり、銀行口座の開設、住宅賃貸契約締結、ムービングセールでの物品購入など手伝っていただきながら生活セットアップをしていきました。一番苦労したのは面と向かって話をできない場面、そう電話交渉です。電気の契約は電話必須だったのですが、言葉が通じずため息をつかれたり何度も切られたりしながら3時間ほどかかりましたがなんとか契約してもらいました。自動車運転免許の実地試験でも同じ状況で、ライトをつけろ!(乗車前点検目的)って言われても分からず怒鳴られる始末。冷や汗をなんどもかきながら20分程度の路上試験を終え、絶対落ちたなと思っていたら合格とのこと。お次はSocial Security Number(マイナンバーのようなもので税金の申告などいろいろな場面に必要)の申請。オフィスが9時からなので8時半ごろに行くとアメリカではめずらしく長蛇の列。それもそのはず、新規申請の窓口は1か所なのです。しかたなく屋内で列に並んで他の方々と同様にスマホをしていると警備の警官にどなられる。なぜ???安全のために、とのことらしいのですが、なんと!その警官もスマホをやっているではないか???理不尽極まりない、と怒っていたところで順番が回ってきました。窓口の姉さんはもはやお決まりの仏頂面、なんとも思わず5問ほどの質問に答えてパス。そしてこうやって苦労して得た免許証、Social Security Numberカードやクレジットカードが普通郵便で送られてくるというお国柄に2度びっくり。そんなこんなで1か月半ほどで生活セットアップを終え、2か月後に家族を迎えることができました。一般企業の駐在さんなどはこのような苦労とは無縁ですべてお金で解決、現地エージェントが全部してくれます。はじめはうらやましく思ったこともありますが、一度きりの人生、苦労を楽しむぐらいじゃないと面白くないですよね!

書きすぎるとネタ切れになるので今回はこのあたりで。 (つづく)

齊藤亮一