ボストン学会参加・デトロイト病院見学記

今回は日本泌尿器科学会(JUA)・米国泌尿器科学会(AUA)の交換留学プログラム(JUA/AUA Academic Exchange Program)に参加した内容について報告させていただこうと思う。

上記プログラムに応募し、2017年5月にボストンでの第112回米国泌尿器学会議に引き続き、デトロイトHenry Ford Medical Centerで3週間の病院・手術見学をさせていただいた。

このプログラムでの学会参加・病院見学を通して多くの方にお会いしゆっくり話ができる機会をいただいた。ボストンでの学会の開催期間には、留学先(ニューヨークにあるAlbert Einstein College of Medicine)でお世話になった先生方と再会でき、またその同窓会もあり楽しい時間を過ごせた。また基礎実験のため培養細胞を頂いた先生がハーバード大学のあるケンブリッジにおられ、大学近くのメキシカンの店でビールを飲み交わし、成果お礼と直接研究を伝えることができた。やはりメールだけのやり取りだけでは得ることができない人の温かみに触れることができた。

デトロイトのHenry Ford Medical Center ではロボット手術を数多くされていて、適応も広くバラエティに富んだ手術の見学をさせていただいた。主任のDr. Menonは先見の明の持ち主で、様々なアイデアを考えそれを実践されておられた。腎移植もロボットを使用して行っており、血管吻合などその繊細な手術手技に感銘を受けた。

スタッフ・レジデントともにとても親切(上写真)で、特に受け入を担当されたDr. Rogers には家族との食事やピクニックにも連れて行ってもらい(左写真:マシュマロとチョコレートをクラッカーではさむお菓子スモアを作製中)、Dr. Menonには博物館のような豪邸に招待いただいた。現地の麻酔科医とも親しくなり、食事や観光・バス釣りとデトロイトライフを満喫させてもらった。また、全米剣道連盟会長・範士八段の先生がデトロイトで道場を開いておられ、度々稽古に参加させていただいた(右写真)。

子供から大人まで多くの方が真剣に取り組み汗を流していた。充実した稽古の後は、日本食のお店で毎回遅くまで熱い剣道談義でデトロイトとは思えない、いやデトロイトでしか得られないとても幸せな時間だった(剣道のためにデトロイトの病院を選んだのではなく、あくまでAUAからの推薦である。誤解なきように‥)。このように泌尿器科のみならず、さまざまなネットワーキングの機会をいただいた。このプログラムでご一緒した名古屋市大の濱本先生にもとても仲良くしていただき、デトロイトでの3週間がより楽しく充実したものとなった。

レジデント向けの交換留学プログラムもあり、若手の先生方に是非チャンスをつかんでもらいたい。

最後に、このような恵まれた経験をさせていただいた関係者の皆様に心から感謝いたします。

文責 根来