はじめての京都居住(まさかのコロナ禍)

2020年4月より勤務させていただいている佐藤です。昔はよくレーシングドライバーの佐藤琢磨と同じ名前だねと言われていたのですが(当時はF-1 で活躍しており、メディアの露出も多かったと思います)、最近ではそのような機会も大分減りました。

2019年7月に東北大学泌尿器科の伊藤教授に(夏休み中に)「相談したいことがあるので来てくれないか」と言われました。何の要件か全く想像がつかない状況で教授のもとを訪れると、“京都にいってみないか”という完全に想定外の提案でした。しばらく異動はないだろうと思い込んでいたこともあり、即答はできませんでしたが、このような機会はもうないだろうとの考えから家族を連れて京都に来ることとなりました。

2019年7月の時点では、当然コロナのことなど知る由もなく、適度に観光したり仙台に帰ったりできるものと考えていましたが、年末から年始にかけ、コロナ感染者の増加や緊急事態宣言に関する報道が増加するにつれ、先行きの見えない不安の中にいました。2020年3月末に見たこともないほど人がいないJR仙台駅を経てこの地を訪れました。京都も同様に自粛中であり、以前、観光で訪れた時の賑わいとは全く異なる状況下にありました。

当初は小学校もはじまらず、不要不急の外出を控えるような要請もあり、鴨川や京都御所を散歩するぐらいしかできませんでしたが、夏にかけて徐々に感染者も減り、少しずつですが外出できるようになりました。いわいる観光地は、以前の人ごみに比べれば圧倒的に観光客は少ないのでしょうが、はじめて京都を訪れたうちの子供たちにとってみれば、それが基準であり、数年後に観光客が戻ってきた京都をみたら逆に驚いてしまうかもしれません。

京大病院での業務に関して、はじめは戸惑いの連続でした。東北大学泌尿器科の前任の教授である荒井陽一先生は京都大学(医局)の出身であることから、似たような感じなのかなと勝手に思い込んでいましたが、そんなことはありませんでした。先日、小川教授より各大学の医局の特色に関して、“東北大学の医局は関西(京大)の味(だし)と東北の味(だし)がまざってできている”というお話があり、謎が解けたような気がしました。両大学のだしをうまくブレンドして、よりよい味をだすことが今後の課題であると考える今日この頃です。

佐藤琢磨