○○の秋

 はじめまして、医員の福井と申します。

 早いもので、京大病院で泌尿器科としてスタートをきってはや半年が経ちました。僕達医員は助教のオーベンの先生とペアで診療にあたるのですが、10月にペアチェンジが行われました。半年ペアでつきっきりでいてから別れると、まるで昔の彼女の名前を言ってしまうようにチームを間違うこともまま見受けられます。僕は10月から寺田先生のもとにつくことになりました。幸い最近小児の手術が多く、今まで見ることのなかった小児泌尿器の症例に多くあたっています。停留精巣の診察一つでも、あるんやったら触れるやろ、と軽く考えていましたが、はじめはうまく触れることができませんでした。勉強になる日々を送っています。

 さて、ここでは僕が大学時代していた水球というスポーツを紹介したいと思います。

 水球といってもご存知で無い方も多いと思いますが、簡単に言うと7人(1人キーパー)でする水中で行うハンドボールです。8分×4ピリオドで行われゴールを多く決めたチームの勝ちです。日本ではあまり知られていませんがオリンピック競技であり、ハンガリーやセルビアなど東欧では国技とされており、イタリアではサッカーと同じくセリエAというプロリーグが存在します。ちなみに日本代表は通称ポセイドンJapanと名付けられているようです(TV朝日ネーミングセンスなさすぎ・・)。

 さてこれだけではあまりイメージがつかないかもしれませんが、水球はヨーロッパではそのhardさゆえ「King of Sports」と呼ばれ、また体が直にぶつかりあう激しい競技であり「水中の格闘技」とも呼ばれています。

 Hardな点を挙げると、足をつけることができず常に浮き、泳ぎ続けなければなりません。サッカーとは違い基本動作が泳ぐであり、これが走ることの本当に数倍疲れます。ただ泳ぐだけでなく、基本マンツーマンなので常に相手がいた状態で、時には引っ張られたりしながらプレーしなければなりません。また足を使って浮くことでパスをもらったりシュートをうったりと、泳ぎながら違う動作を瞬時に行い、ものすごい瞬発力を要求されます。消費カロリーは尋常ではなく夏は毎日3合のご飯をたべながら5kgぐらい痩せていました。

 また水中は外からは見えない分、実際の格闘技より激しいこともあります。見えないところでかにばさみされ沈められたり、蹴られたりすることは日常茶飯事です。ある先輩はイ〇毛を引っこ抜かれたことがあるそうです。

 そんな水球ですが、ラグビーのような体のぶつかり合う激しさとサッカーのような綺麗なゴールが決まる華麗さを併せ持った魅力的なスポーツです。水球をやれば肉体的にも精神的にも鍛えられること間違いなしです。子供を鍛えたいならぜひ水球を! 

 京大泌尿器科の医員の中でも一番フレッシュな僕ですが、肉体は一番おっさん、と言われて久しくなりました。水球時代の肉体は見る影もありません。外科医は体が資本と言いますので、スポーツの秋、少し泳いで体も鍛えたいと思います。決して食欲の秋には負けないように。学会シーズンの秋という声もありますが、現実逃避しながらブログを書いています。そろそろM井先生に怒られそうなのでこのへんで。