泌尿器科 まつわる話(3)

皆さんこんにちは。早いもので僕が留学先から帰国して京大病院で勤務を始めてから3年になろうとしています。このたび4月から神戸市立医療センター中央病院に転勤となります。このブログを担当するのも今回が最後ということで、僕の大好きなクラシック音楽界の偉人に関して書いてみようと思います。
泌尿器科にまつわっているのは、彼が前立腺癌でなくなった、ということくらいなんですが。

カルロス・クライバー (1930-2004) というカリスマ指揮者がいました。世界的に有名な指揮者であるエーリッヒ・クライバーを父親とし、その反対にもかかわらず指揮者としてのキャリアを歩み、1970年代から90年代にかけてカリスマ的な人気を博した人です。極端な完璧主義者として知られており、コンサートやレコーディングした曲目も限られており、有名になってからもキャンセル魔として名をはせた一種の奇人でした。 (このあたりは、最近NHKで放送されたドキュメンタリー「ロスト・トゥー・ザ・ワールド」に詳しい)。

何度か来日しており、僕自身も1992年のウィーンフィルの大阪公演(フェスティバルホール)の時はチケットを取って楽しみにしていたのですが、残念ながら体調不良(という建前)によるドタキャンとなってしまい、唯一のチャンスを逃してしまいました。

ちなみに代役はジュゼッペ・シノーポリという精神科医のキャリアも持つイタリア人指揮者となり、曲目もブルックナーの交響曲第7番という、演奏には1時間以上もかかる大曲で、当時は僕もどんな曲かよく知らず、予習のために急遽CDを購入してコンサートに臨んだものでした。結果的には素晴らしく感動的な演奏であり、それから結構なブルックナーマニアとなったので僕としては満足だったのですが。

閑話休題。クライバーは、その後1994年にも来日してオペラ等を公演しましたが、東京中心であったこともあり、まだ高校生だった僕は聞くことあたわずとなったわけです。

その後は元々少なかった演奏回数もどんどん減っていき(1年に1回するかどうか!)1999年の公演を最後に隠遁生活に入ってしまいました。2004年に亡くなった時は日本でもニュースになり、追悼盤も企画されていました。死因は公表されたわけではないようですが、いくつかの情報を見る限りは前立腺癌だったようで、繊細な彼が病気の進行を気に病みながらつらい晩年を送ったのではないかと考えると、かわいそうな気がしたものです。

残された音源はどれも素晴らしいものであり、有名なウィーンフィルのニューイヤーコンサート(1989, 1992年)のものも残されていて、躍動感、生命力にあふれるところを、皆さんも鑑賞してみてはいかがでしょうか?彼の演奏は指揮姿も流れるようなスタイリッシュなもので、見ているだけでもうきうきするところがあります。DVDもあるので、よかったらそちらもどうぞ。

こんなところで僕の最後のブログも閉めたいと思いますが、最後に京都でお世話になった食事処を記載しておこうと思います。興味のある方は食べログで情報を確認の上、訪問してみてください。それでは皆さん、ごきげんよう。

豚金(焼き肉)、芝蘭(韓国料理)、串虎(ちゃんこ鍋:9−3月のみ)、福耳(中華)串ひら尾(串揚げ)、やま仙(和食)、カポディモンテ(イタリア料理)、ルチアーノ(イタリア料理)、エルフォゴン(スペイン料理)、喜代(お好み焼き)、ル・プチ・メック(パン屋)、リンデンバーム(デリ)、炭焼の串 クマノ きむら(焼き鳥)など。

文責 杉野