神戸とうどんと私

はじめまして、修練医の砂田と申します。

新年度より京大病院勤務となり、大学の仕事にもようやく慣れてきつつある今日この頃です。
同期と働くという新鮮な毎日で、仕事ばかりではなく、いろんなイベントもあり、楽しく暮らしています。
先輩たちとの飲み会やゴルフ、同期との飲み会など(飲んでばっかりですね)その中でも医者にとって大きなイベントと言えば学会です。
学会は、年に数回行われますが4月に行われる日本泌尿器科学会総会が泌尿器科領域では最大の学会です。

この学会というもの、勉強になるのももちろんですが、いろんな知り合いと会うことができるのもまた学会の楽しみだったりします。そして、学会最大の楽しみはやはり飲み会で(また飲んでる)、学会の後半に懇親会があり、主催の大学の土地にゆかりのある出し物が毎回なされています。

今回は2014年4月に神戸で開催され、主催が香川大学ということで、うどん早食い大会、その名も「第2回U-1グランプリ」が開催されました。第2回というからには第1回があり、以前西日本泌尿器科学会で行われ、大好評を博したイベントであり、さらに金と時間と人をかけてパワーアップした第2回が満を持して行われるとのこと。日本全国津々浦々、北は北海道から沖縄まで、泌尿器科医のうどん早食い王を決める天下分け目の一戦であり、HPで告知されるやいなや応募殺到か!!と思いきや開催1カ月を切っても人が集まらない…
なんとしても開催するべく、人脈を使ったリクルートが始まり、前勤務先の香川大学の先生のご尽力(圧力?)により、京大に転勤する前から「京都大学代表」として参戦が決まりました。

さて、うどんは好きなんですが、当然のことながら早食いなどしたことがなく、「京都大学代表」の名前にかけてもなんとか惨敗は避けたいと思い、まずは練習がてらセルフうどん店でうどんを食べてみましたが…
とても早食いできない!! 簡単にのどに詰まってむせます。
日に日に勝つ意欲はとても失せ、窒息しないことを願うなんとも消極的な姿勢に。それでも計3回自主トレを行い、「左手は添えるだけ」(出典:スラムダンク)ならぬ「うどんは飲み込むだけ」という意識をもって当日を迎えました。

試合当日は念のため朝コーヒー飲み、昼のランチョンセミナーも弁当に手をつけず絶食とかなりお腹をすかせた状態で臨みました。参加者はコスプレが求められ、筆者は女装しましたが、手作りのふなっしーや孫悟空、メイドさんにデーモン小暮閣下など気合い十分のコスプレに圧倒されっぱなしでした。

懇親会がなごやかな雰囲気で進む中、いきなりone direction の「What Makes You beautiful」にのせたフラッシュモブ(プロのダンサーによるダンス)が始まり、筧教授の開会宣言、入場時はK-1をほうふつとさせるプロによる煽りmovieで会場のテンションは最高潮に!!

優勝はMacbook AirやPS4、ダイソンの掃除機など豪華賞品の数々が用意され、各人の用意したコスプレでも賞がでるなどかなり手厚い用意がなされていました。

もちろん参加賞もあってなんと豪華なことにTENG○がついていました。
(使い方は各自ネットでご確認ください)

試合形式は参加者32人を4ブロックに分け、0.5玉×3杯のうどんを汁までのみきるスピードを競います。各ブロック1位のみが決勝に進め、ガチンコのうどん1玉×2(!!)を一番早く食べきった人が栄えある栄冠に輝くという、早食いだけでなく大食いも求められるルールです。筆者は第2ブロックで、同じブロックには身長180cmの柔道部出身の研修医、前回大会準優勝というT大学准教授がいらっしゃるなど、強豪ひしめくブロックで運命やいかに?

司会は泌尿器科医なんですが、素人と思えない古館伊知郎を彷彿とさせる実況つきで、会場をどんどん盛り上げます。筆者の前に1ブロック目が行われ、すさまじいスピードで食べ終わる勝者をみて不安な気分で見守ります。もう腹がへってるのか緊張でよくわからない状態です。
続いて、筆者の番です。

「カーン」ゴングの音とともに開始!

立ち食いスタイルで、みそ汁のお椀に、ぎっしりとうどんがつまっておりとても0.5玉に見えないおわんが3つ!幸い汁はかなりぬるめで、めんつゆ風味でしたがとても味なんて覚えてません…

事前に練習した「うどんは飲み込むだけ」を実践し、必死で食べます。のどの調子がかなりよくどんどん飲み込んでいると「5番(筆者の番号)はやい、はやい」とどよめきが聞こえ、必死で食べてお椀をかかげたところ、見事予選1位!まさかの前回準優勝者に勝つという快挙に小川教授自ら舞台まで握手しにきてくださり、優勝するよう発破をかけていただきました。

しかしこのときすでに、(意外に思われると思いますが)裏腹に胃の容量が小さく、予選でかなりお腹いっぱいとなっており、不安な気持ちで決勝のリングへ。

決勝は4人で行われ、各ブロックの精鋭たちが集結しており、全員に豪華商品があることから気分がかなり楽でした。個人的には3位のデジカメがほしい気持ちでしたが、全力で戦いました。
さっきのお椀とはケタ違いのちゃんとしたどんぶりサイズの「うどん」2杯が用意され、しかも食べきるまで終わらないというまさにデスマッチさながらの試合となりました。

ゴングとともにスタートし、1杯目はなんとか食べきるも、2杯目の途中で腹いっぱいになり、箸がとまるというなんとも情けない展開。早くも第4ブロックの方が食べ終わり、1位はなくなりました。

それでも気合いで食べ進め、なんとか準優勝を確保し、京都大学の名を全国にアピールすることができました。商品はPS4で、大学に寄付せよとの指令があるものの、大学のアカデミックな雰囲気を壊さないよう我が家で眠っております。

主催の香川大学の顔見知りの先生方にも喜んでいただき、出た甲斐はあったと思います。
次は学問的な部分でアピールできるよう頑張りたいと思います。

最後まで駄文を読んでいただき、ありがとうございました。