出会いと別れの季節

当科では年1回、若い修練医の先生との出会いと別れがあります。1年間は短いようですが、毎日のように病院で顔を合わせ、カンファレンスでせめぎ合い(一方的に攻められているという話もありますが、後半にはそれなりにディフェンス力もアップしているようです)、宴会での楽しそうな様子などを見ていると愛着もわいてきます。彼らが科の雰囲気を作ってくれているような部分もあり、3月の別れの季節はいつも寂しい気持ちで一杯です。でも彼らの前途は明るく、新任地でひとまわりもふたまわりも成長した姿を想像すると、その寂しさの感情もやがて期待や喜びへと変化していきます。

そんなことを毎年のように繰り返し、あっという間に10年が経過しました。そして今年も4月から5名の新たな仲間を迎えることができました。例年そうなのですが、はじめのうちは新しい環境に適応しきれておらず、《ここはどんな所だ?》と探りを入れている様子です。その間はおとなしくて個性が見えてきません。でも私たちは知っています、どの年のどのメンツも実は非常に個性的な輩であることを。そしてそのひとつひとつの個性が、集団としての味を深めることも。なので、彼らの個性を引き出し、彼らが医師としてのポテンシャルを十分に発揮できる雰囲気を作ることが私たちの使命と言っても過言ではありません。

彼らが一番個性を出しやすい(ボロを出しやすい?)のはやはり宴会の時です。楽しさのあまり無防備になった彼らの個性が剥き出しになるのです。いちどボロを出すと、もう怖くなくなります。カンファレンスでも余裕でボロを出して、こちらからのツッコミをひょっとしたら待ってるんじゃないかと思うことも。これから1年間、彼らがどのようなカラーを出してくれるか非常に楽しみです。恨まれない程度にツッコミ倒そうと思っています。そうやってツッコミ倒したあげく、やっぱり3月には寂しい思いをさせられるんだろうな。悪い奴らだ。

こんな泌尿器科ですが、若い力を求めています。大歓迎です。是非私たちの仲間になって、私たちにツッコミ倒させてください。特別なツッコミをあなたにあげる、あったかいんだから〜。(完全に幼い長女と次男のレベル。妻と長男の白い眼が気になる47歳2ヶ月の5月。)

(神波 大己)