医局長

私(寺田直樹)は現在、京都大学医学部泌尿器科の医局長という役職に就いております。今回のブログはそのことについて書きたいと思います。

まず、当科の医局長の選出には公正な選挙があります。選挙権は大学院生を含めた全医局員で、被選挙権は過去に医局長をしたことが無い医局員です。私は昨年度に副医局長をしていましたので、今までも副医局長が医局長になることが多く、今回もほぼ独走に近い選出となりました。

聞いたところによると、特に関東の大学の医局長は、事務的な責任者という立場であり、人事も任されています。中には臨床業務を免除される所もあるそうです。一方、当科の医局長は、特に何の権限も無く、完全に「雑用係」です。以下に主な仕事内容を挙げていきます。

①宴会の幹事

当科では、毎年決まった時期に宴会を開催しています。4月花見会(下記写真)、5月新人歓迎会、7月納涼会、11月秋レク、12月忘年会、3月送別会です。それに加えて、年3回ある関西地方会の打ち上げや、その他大きな学会の際の食事会などもあります。会の度に、店を選んで予約し、案内状を作成し、参加希望者を募集します。「食べログ」や「ぐるナビ」といった検索サイトの書き込みなどを熟読して決めるのですが、人数が多い会などは店が限定されるので探すのが大変です。また、それらのサイトは1次会には強いのですが、2次会には弱く、そのため私が医局長になってからの2次会は毎回同じ店です。最近、その店の店長にすっかり名前を覚えられてしまいました。

②講演会の手配

当科では、2か月毎にマンスリーミーティングという症例検討会を開催しています。同門の先生方にメーリングリストで案内を送り、発表して頂ける症例を集めます。幸い、今年度は今のところ演題が集まらなかったことはありませんが、集まらない場合は個人的に発表をお願いする必要があります。会の当日は連絡会議から参加し、研究会後の懇親会の司会をします。また、8月には大文字会総会という同門会が開催さ、100人くらいの幅広い年齢層の先生が集まります。小川教授や吉田名誉教授を始め、えらい先生方のご挨拶があり、比較的厳粛な雰囲気です。新入会員の挨拶(下記写真)の後に、今年度に京大で働いている医員による、結婚披露宴さながらの余興があります。その企画、内容の品格チェック、進行役などを行います。今年の芸は、後半に盛り返したものの、前半は全くうけず、いやな汗をたっぷりかきました。

③新入局員の勧誘

当科の新規入局者の勧誘も医局長の重要な仕事です。メジャー科と違い、学生や研修医に当科に興味を持ってもらうために、すこし過剰かと思われるくらいの勧誘をしております。学生と研修医向けの説明会にはおそろいのハッピを着て臨みます。他科の先生の評判はすこぶる良いのですが、学生や研修医の目にどう映っているのかは甚だ疑問です。さらに今年は、研修医向けの体腔鏡下縫合トレーニング講習会も開催致しました(下記写真)。また、選択科として当科を回ってくれた学生、ローテーションや病院見学に来てくれた研修医、その他少しでも当科に興味を持ってくれた方は、とにかく飲みに連れて行きます。その時はお酒も入っているためか、多くは「京大泌尿器科は雰囲気が良いですね。入局を前向きに考えます」と言ってくれます。うれしくて、ついつい深酒をしてしまいます。その後しばらくして連絡してみると、「やっぱり他科に決めました」という言葉が大半です。「そうか、まあ十分に考えた結果やしね」とか言いつつ、本心は相当へこんでいます。今度はつらくて深酒をしてしまい、最終的に肝臓にかなり負担がかかります。今年の健康診断のγGTPはどうなっていることやら。

その他、細かい雑用が山ほどあります。来年3月の任期満了を心待ちにしつつ、今から忘年会のお店を探します。秋レクの案内状もそろそろ作らないと・・・