京大グルメ紀行

初めまして、泌尿器科の嘉島 相輝(かしま そうき)です。前医局長である澤田篤郎先生のご尽力により、2019年春に京大泌尿器科HPがリニューアルしております。4月から秋田大学に戻って参りましたが、新医局長である後藤崇之先生からのご指名により、僭越ながら雑文を寄稿させて頂きます。これまでのスタッフブログでは、趣味について寄稿しておられる先生が多いようです。私の趣味は「食べること」ですので、今回は京都の5年間を振り返るとともに、これまで何度通ったか分からない大好きな食事処をご紹介したいと思います。

桐蔭学園高校・秋田大学を卒業し、剣道部顧問であった羽渕友則教授(秋田大学腎泌尿器科)の元に入局して段々と泌尿器業界事情が分かってきたころ、「どうやら日本の泌尿器がん診療は、京大勢が牽引しているようだ」と独断と偏見を抱くようになりました(注:他大学も大変ご活躍されております!)。研修医時代、京大泌尿器科のHPを見ながら「京大はすごいなぁ」と憧れる日々を過ごしていたことを覚えています。

時は流れ、大学院入学目前の2014年12月、羽渕教授の中・高・大学の同級生である河本 宏教授(京都大学ウイルス・再生医科学研究所・再生免疫学分野)が、「iPS細胞から、がん抗原特異的再生T細胞を作る」という研究について、秋田でご講演されました。懇親会での羽渕教授からの「京都、行ってみる?」という青天の霹靂の後、2015年春から河本研での学位研究が始まりました。「がん免疫最盛期」と言っても過言ではないこの時期を、河本研で過ごせたことには感謝しかありません。京大泌尿器科ラボとも共同研究させて頂き、苦しくも充実した大学院生活でした。そして河本研の周りには、そんな苦しい大学院生活を支えてくれる、大変美味しいランチ処が多くあります。

かしまランキング第1位:京のつくねや ★★★★★

記念すべき第1位は、何といっても「京のつくねや」の「親子小・鴨小セット<そば>」です。京大から近いため、ファンの方も多いと思います。ここの“鴨なんば”のスープ・葱・鴨・そばのマリアージュは、最高です(当社調べ)。添えてある山椒がまた格別で、気持ち多めにかけるのがお勧めです。週に1回は必ず食べていました。裏に八起庵がありますが、鴨なんばのスープはつくねやの勝ちです。今後京都を去って今後食べられなくなるため、死活問題です。禁断症状が出ないように、京都の学会に優先的に演題応募するしかありません。

かしまランキング第2位:クウカイ ★★★★★

第2位は、「クウカイ」の「一汁八菜」です。京野菜と鮮魚による、とても繊細な料理を頂けます。疲れた頭を癒してくれる美味しさで、メニューも日替わりのため何度行っても飽きません。周りに美味しい和食屋さんが少ない中、クウカイの存在は輝いています。週末は満席で入れないこともしばしばです。夜は日本酒が充実しており、河本研としても御用達でした。ただし同業の方が来店していることもあり、会話の内容には注意が必要です。

「京都にいるのに京大の臨床を見られないのは残念だったなぁ」、と思いながら秋田に帰る準備をしていたD4の終わり頃、小川修教授と羽渕友則教授のご高配で、思いがけず京大泌尿器科で臨床を学ばせて頂く機会を頂きました。京都5年目は大学院の4年間とはまた違った意味で刺激的な毎日でしたが、「京大泌尿器科スタッフの仕事量の多さと精度の高さは、筆舌に尽くしがたい」、というのが1年間を通じて一番の感想です。特に、病棟医長・小林先生(前半)、赤松先生(後半)、医局長の澤田先生の仕事量には、度肝を抜かれました。このシビアな環境で戦っているスタッフと、それに食らいついている修練医は、本当にハイレベルだと思います。京大病院での1年間はあまり食べ歩く時間もありませんでしたが、毎週火曜日は19:30から21:00頃まで大学院生のprogress meetingやjournal clubがあり、更にしばしばその後に2時間弱のgroup meetingがあって長丁場になるため、時間が出来た時はPRの前にサッと夕飯を摂る様にしていました。

かしまランキング第3位:スパイシー ★★★★

第3位は、「スパイシー」の「ロースカツカレー」です。1950年創業で、果物や野菜と35種類のスパイスをオリジナルブレンドして仕上げている、と謳うルーは、確かに格別です。また、カツの衣が驚くほどサクサクなのです。これの中辛と「グリーンサラダ」を注文するのがルーチンです。毎週通うので、スタンプがザクザク溜まります。ミーティング前に食べそびれてしまった場合、22:30ラストオーダーと比較的遅くまで営業しているのも嬉しいです。

かしまランキング番外編:伝丸 ★★★

番外編は、自宅近く、百万遍にあるラーメン屋「伝丸」です。京都は白湯ラーメンが多いですが、ここは味噌ラーメン中心のお店です。ここのお店のお気に入りポイントは、何と言っても夜中2時まで営業しているということです。カンファ・手術・外来予習などで疲れた身体に、濃厚味噌が染み入ります。葱がたくさん入っていて、ラーメンで不足しがちな野菜を摂れるのも◎です。

いかがでしたでしょうか。忙しくも、楽しく、美味しい京都生活が伝わりましたでしょうか。最後になりましたが、京都でお世話になったたくさんの方に、心から感謝します。京大での経験を生かして、これからも患者さんの健康と医学の発展に貢献して行けるように頑張りたいと思います。

嘉島 相輝