泌尿器科 まつわる話(2)

みなさん久しぶりの登場となりました、助教の杉野です。前回は「泌尿器科まつわる話(1)」として将棋指し「村山聖」を描いたノンフィクションを紹介しました。
 今回も何かないかな、と探していたのですが、最近「間寛平」さんとうちの父親がからむエピソードがあったので、それを起点に書いてみようと思います。

 皆さんご存じのように寛平さんは、お笑い芸人であると同時に稀代の長距離ランナー、世界一周マラソン「アースマラソン」の途中で前立腺癌が見つかり、大きなニュースになったことがあります。治療による一時中断はあったものの、その後は無事再開され、元気に日本に戻ってこられたわけです。 今では「ブルークローバーキャンペーン」でも、前立腺癌の啓発に携わっています(http://www.asahi.com/blueclover/campaign/20110120.html)。

 その寛平さんが、今年20周年を迎えた僕の故郷である堺市で開かれた「20周年記念 泉州国際市民チャリティーマラソン」に記念講演をしにやってきたのでした。(マラソン大会自体は阪神大震災による中止などもあり、今年は18回目でした)

今でこそマラソンブームで猫も杓子もフルマラソンという時代ですが、20年前はごく一部の人たちの趣味でした。父親はごくはじめから連続完走しており、今回でなんと16回目!
 67歳にして制限時間4時間半(2年前から5時間に緩和)という比較的厳しい条件の中、ほとんど毎年出場し続けてきたというわけです。
 毎年4000人が参加する中で、決してタイムがすごいわけではないですが、年を重ねて出場する中で、上位30人に数えられ、表彰を受けたわけです。

まさに文字通り「継続は力」だな、と思った次第です。
 不肖の息子の僕自身は、フルマラソンはもちろんのこと、10kmマラソンに出たことがあるくらいで全く苦しいことは好きではないのですが、この親父の快挙には素直に感動しました。
 20年積み重ねるとなると齢40になろうとする僕が今からはじめても60歳までかかることになります。

 世界を股にかけてイベントを成功させ、多くの人に感動を与える寛平さんと、ささやかながら家族に感動と勇気を与える父親。マラソンを介して人に何かを伝えることを成し遂げた二人に乾杯!

 急に思い立ってできることではありませんが、何かこつこつ続けていけるようなことを見つけたいと思う今日この頃です。

(2013. 4. 1 杉野 記)