京都大学医学研究科 泌尿器科学教室ブログ

一般の皆さまへ 私たちの診療について

目指している治療

高品質の医療の提供

~世界トップレベルの医療を安全性高く提供することを目指しています~

京都大学泌尿器科はその開講から80年が経過しました。歴史的に特に力を入れてきたのが泌尿器科腫瘍学と低侵襲な内視鏡外科治療です。泌尿器科腫瘍の分子遺伝学研究では、常に世界のトップレベルと肩を並べてきました。また、世界に先駆けて30年前から開始した泌尿器科腫瘍に対する低侵襲な腹腔鏡下手術は、今でも日本の泌尿器科手術に影響を与え続けています。腹腔鏡手術の1つであるロボット支援手術についても、保険診療認可前の2011年に諸施設に先駆けて導入し、豊富な経験があります(詳しくは、体腔鏡手術およびロボット支援手術の頁をご参照ください)。

泌尿器科がんに対しては、患者さんの生活の質(QOL)を考えた低侵襲手術を重視し、さらに、外科的治療のみならず、放射線治療や抗がん剤治療などを組み合わせた治療戦略(集学的治療プロトコール)を確立することで、他施設では治療が困難な患者さんにも積極的に対応しています。
現在、泌尿器科がんの薬物治療は大きな変革期を迎えています。例えば、前立腺がんでは新しいホルモン治療薬や抗がん剤が次々と認可され、今後はさらに新しいがん治療薬も使うことができるようになります。また、腎臓がん膀胱がんでは分子標的薬に加えて、ノーベル賞で話題になった免疫チェックポイント阻害剤も使われ始めています。このように様々な治療薬が認可されると、その使い方も複雑になり、より専門的な知識と経験が必要となります。私たちのチームには、各種の泌尿器科がんに対応できる経験豊かなスタッフが常駐しており、患者さんの生活の質(QOL)を重視した高度な医療を提供できる診療体制が整っています。
複雑化するがん治療に応えられる診療体制が充実している具体的な一例として、前立腺がんユニットが挙げられます。前立腺がん症例の増加と治療オプションの多様化に応えるため、私たちは他科や多施設に先駆け2003年から前立腺がんユニットを開設し、毎週 水曜日に泌尿器科医と放射線治療医が合同で診療を行っています。

他にも、排尿障害、小児泌尿器腎移植については専門外来を設置するなど、患者さんのニーズにきめ細かく応える体制を整え、様々な臨床試験にも取り組んでいます。

高品質かつ安全で患者さんに優しい医療。それが京都大学泌尿器科の目指す医療です。